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仲田 久和
原環センタートピックス, (147), p.4 - 11, 2023/10
全国の研究機関、大学、民間及び医療機関等から発生する研究施設等廃棄物については、現在、最終処分のための埋設施設はまだなく、発生させた各機関や(公社)日本アイソトープ協会によって保管されている状況である。このため、将来のエネルギー確保のための研究開発や、高度な医療を持続可能とするため、早期に最終的な埋設処分を進めることが喫緊の課題となっている。国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法に基づき、研究施設等廃棄物の埋設事業の実施主体とされており、その第一期事業として、2048(令和30)年度までに発生する廃棄物を対象に、放射能濃度に応じ、比較的低いものをピット処分と呼ぶ方式で、また、極めて低いものをトレンチ処分と呼ぶ方式により、それぞれ埋設処分することを計画している。本講演では、研究施設等廃棄物の埋設事業についての現在の取り組みについて紹介する。
仲田 久和
no journal, ,
研究施設等廃棄物は、原子力の研究開発や、放射線利用に伴い発生する廃棄物の総称であり、研究炉, 核燃料物質の使用施設, 加速器, 病院が主な発生施設である。これらの事業者が保有する研究施設等廃棄物は、大半が地中へ最終処分するために必要な処理がされないまま、現在までの保管量は59万本程度となっている。これらの研究施設等廃棄物の埋設処分を進めるため、平成20年度に原子力機構法が改正され、原子力機構はその実施主体として、自らの業務に伴って発生する廃棄物と、原子力機構以外の者から処分委託を受けた廃棄物の両者を合わせて処分を行うこととなった。埋設事業は、ピット処分とトレンチ処分を優先して進める計画とし、原子力機構は、対象物量を調査し、それに基づき、施設規模で約75万本の埋設施設の概念設計及び埋設事業の総事業費の見積もりを行っている。また、埋設施設の立地に向けて立地基準及び手順の策定を行い、埋設施設の施工調査・試験等を実施してきている。本発表では、原子力機構が研究施設等廃棄物の計画的な廃棄体化処理の推進に資するために実施してきた廃棄体の受入基準に係るこれまでの検討状況を説明する。